建設業許可を受けるためには、以下の要件をすべて満たしていることが必要です。
詳しくは下記のとおりです。
経営業務の管理責任者としての経験を有する者がいること
法人である場合には常勤の役員のうち1人が、個人である場合には本人又は支配人(商業登記簿上に登記のある支配人に限る。)のうち1人が下記のいずれかに該当すること。
許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験又は、7年以上経営業務の補佐をした経験
当事務所では、この条件で断念される方が一番多いです。建設会社に長く務めていて、やめてすぐ独立して許可を取ろうとしても、ご自身で経営業務の管理責任者にはなれないのです。
無許可で5年以上経験を積んでから許可取得を目指す。または、法人の場合は要件を満たす人を役員に入れる、個人の場合は要件を満たす人を支配人にするしかありません。
専任の技術者がいること
許可を受けて建設業を営もうとするすべての営業所には、次の要件を満たす専任の技術者を置かなければいけません
一般建設業は以下のとおりです。
許可を受けようとする建設業に関する、高等学校の所定学科を卒業後5年以上、又は大学の所定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者
許可を受けようとする建設業に関する、10年以上の実務経験を有する者
許可を受けようとする建設業に関する、国家資格等を有する者
許可を受けようとする建設業に関する、検定試験に合格し実務経験を有する者
特定建設業は以下のとおりです。
許可を受けようとする建設業に関する、国家資格等を有する者
上記の一般建設業の要件に該当し、かつ、許可を受けようとする
建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上(平成6年12月28日前の工事にあっては3,000万円以上、昭和59年10月1日前の工事にあっては1,500万円以上)であるものに関し2年以上指導監督的な実務の経験を有する者
※ 但し、指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)については、この基準により専任技術者になることはできません。
国土交通大臣が認定した者
専任の技術者に関しては、許可を受けようとする建設業に関する国家資格有する者がいる場合は、それだけで要件をクリアできます。よく問題になるのが実務経験で要件をクリアしようとする場合です。建設業許可を持っている会社に勤務していた場合は、その会社から実務経験証明書をもらえばそれでOKなのですが、建設業許可を持っていない会社に務めていて場合は実務経験証明書だけではダメで、その期間の契約書、注文書、請求書+通帳などが必要になります。辞めた会社からそんな大事な書類を借りてくることは、よほどのことがない限り難しいと思います。この方法は無許可の個人事業主の方が法人成りして、建設業許可を取得する場合によくあるパターンです。
請負契約に関して誠実性があること
法人である場合はその法人、役員等(取締役、相談役、顧問等)、支店又は営業所の代表者が、個人である場合は本人又は支配人等が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要です。
請負契約の締結又は履行に際して詐欺・脅迫・横領等法律に違反、建設業法・建築士法・宅地建物取引業法等で免許等の取消処分を受けて5年を経過しない者等、暴力団の構成員であるなどの場合は許可は下りません。
請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用があること
倒産することが明白である場合を除き、許可申請時において次の要件を備えていることが必要です。
一般建設業は以下のいずれかに該当すること。
自己資本の額が500万円以上であること。
500万円以上の資金を調達する能力を有すること。
許可申請の直前過去5年間許可を受けて継続して建設業を営業した実績を有すること。
特定建設業は以下のすべてに該当すること。
欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと。
流動比率が75%以上であること。
資本金の額が2,000万円以上であり、かつ自己資本の額が4,000万円以上であること。
一般建設業の許可を受ける場合で、500万円以上の資金を調達する能力を有することで要件をクリアする場合には、金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書を添付します。
欠格要件等に該当しないこと
下記のいずれかに該当する場合は、許可を受けられません。
許可申請書又はその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき
法人にあっては、当該法人、その法人の役員等、法定代理人、支店又は営業所の代表者が、また、個人にあってはその本人又は支配人等が、次の要件に該当しているとき
- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
- 不正の手段により許可を受けたこと等により、その許可を取り消され、その取消の日から5年を経過しない者
- 許可の取消を免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
- 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大であるとき、又は請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 建設業法、建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法の規定で政令で定めるもの、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条又は第247条の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪に違反し、又は罪を犯したことにより罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 暴力団員等でなくなった日から5年を経過しない者
- 暴力団員等が、その事業活動を支配する者